好きを好きだと言うこと、何かを応援すると言うこと
少し前に知り合い数人と飲んでいた時に
「2.5次元が嫌いだ。」
とド直球で否定されたことがあります。
本人は生粋のジャニヲタなんですが、過去に自担が辞めジャニをして俳優になったらしく、その結果2.5次元の舞台に立ち始めたことが、ジャニヲタではあるけど普通の2次元のヲタに恐らく偏見がある彼女は気にくわなかったらしいのです。
(ちょっと興味があって出演作品を調べてみたのですが、原作付きではあるけど2.5次元かと言われるとボーダーな所かなあと言う感じでした。2.5次元をどこから2.5次元に括るのかは難しい所だと思いますが…
『正直そこは逆恨みだろ!』と内心思ったのも事実です。)
加えて話を聞くとそれはそれは自担に莫大な額を注ぎ込んでいたらしく、会社の名刺などもプレゼントと一緒に入れる手紙の中に入れていた話も聞いて
「凄いなあ…!」
と驚いたのを覚えています。
人によって人や物を応援するスタンスはそれぞれ。
彼女の応援の仕方はそれはそれで1つの形。
私も、いわゆる推しの方はいますが、どちらかと言うと見ていられるだけで充分だし、他のファンの方への自分の中での負い目や恥じらいもあるので、彼女みたいな応援の仕方は出来ないかなあ。
と思っています。
ただ、最近
「見ているだけ。」
から、この私のブログのタイトルでもあるのですが、
「好きなものや感動したものには、
目一杯『好き!』『凄い!』」
と伝えるように心掛けています。
そういう考えに至った経緯を少しお話しようと思います。
「誰かを・何かを応援する。」を自分なりに考える。
突然ですが、高木ユーナ先生の描かれている『ドルメンX』と言う漫画が好きです。
あらすじを端的に説明をすると
「地球征服の為、地球人に地球を穏便に”お譲り”して戴く為にはアイドルになって売れて大人気になれば良いんじゃない!?」
という発想で見た目しか良くない宇宙人のメンズ4人とアドバイザー的なドルヲタガール1人が超人気アイドルになる為、もがきながら奮闘する話。
あらすじだけ読むと突拍子もないギャグ漫画に見えると思います。
ツイッターで登場人物の1人ドルヲタガールのヨイちゃんの台詞
「イケメンって物理じゃなくて概念だから。」
というパワーワードに頭を殴られた衝撃と電撃を感じて単行本を購入しました。
作中にテニミュを意識した”リキミュ”という架空の2.5次元ミュージカルや、若手俳優さんのイベントの話が出てきたり、カノバレや炎上の話があったり、実在の俳優さんである佐藤流司さんや黒羽麻璃央さんがゲストとして登場したり。
実際に読んでみるとアイドルより、若手俳優さん寄りの内容で、読めば読むほどとてもリアル。
しかも、俳優側のリアルさだけではなく、追いかける側のリアルさもあり、両方の側面から話を描いているのが非常に面白いです。
丁度自分が若手俳優さんが出演している舞台に通い始めた頃に手に取ったので、「ファンとはなんたるか」を改めて考えるきっかけになった作品であり、漫画作品としても好きですが、追っかけをするに辺りバイブルになっている様な作品です。
さて前置きが随分長くなりました。
この『ドルメンX』の作中で、主人公である”隊長”が駆けだしの頃に初めてファンレターをくれたファンの子が、単独ライブをグループでした時にグループの別の子のファンに推し変していて落ち込む…と言うくだりがありました。そちらを抜粋したのが原作者の高木先生の以下のツイート。
オススメしていただき、ありがとうございます…!クチコミめちゃくちゃ助かります…泣
— 高木ユーナ「ドルメンX③発売」 (@takagi1015) 2017年2月10日
『ドルメンX』の取材をしてて知ったこと。ファンが推しの頑張りをちゃんと見ているように、推しもファンの頑張りをちゃんと見ている。 pic.twitter.com/OiyQYMF7yQ
…これを読んで目から鱗が落ちました。
私の中に完全にこの発想は欠けていた…
私はヨイちゃんと同じ「自分みたいな片隅のファン一人いなくなっても変わらないでしょ。」
と思っていました。
でも、確かに。私普段サービス業に従事してるのですが、凄い褒めてくれたり、良い意味で名前覚えてくれたお客様は覚えてます。何度か来れば絶対覚えます。
(逆に凄い酷いこと言われても物凄くよく覚えてるのですが…)
俳優さんやアイドルってある種究極のサービス業だと思うので、自分の体験と、この『ドルメンX』の内容を照らし合わせて、
「自分が応援している積み重ねも見られている可能性がある。」
ということに気付かされたのでした。
ちなみに私はずっと漫画が好きで、漫画ばかり読んでいるのですが、
俳優さんと同様の理由であまりずっと声は出さずに「読めるだけで充分」と思っていました。
しかし、SNSが発展した昨今ツイッターで出版社の方が以下の様な内容を呟かれており、
出版社に紙のファンレターを出すというのは、凄まじい効果が有ります
社内で行われる様々な会議でも、圧倒的な存在感と効力を示すのです
メールやツイッターが弾丸一発の威力だとすれば、紙のファンレターは核兵器レベルの力を発揮します
文字通り格が違います@tamazonnnoamaraさんのツイートより
しかも、一人ではなく複数。
改めて”ファンレター”というものの威力の大きさを知った気分でした。
この事実を知ってからずっと応援している漫画家さんは勿論。最近は読んで面白かった作品、続きを読みたい作品にも新刊を読んだら積極的に手紙を出す様にしています。
以前とある新連載を読んだ時の衝動に駆られて、翌日にすぐファンレターを出したことがありました。
その後機会があって漫画家さんのサイン会に伺った際に、サイン会って大抵宛名が入るので名前を記載した時
「あ、前ファンレターくれましたよね?1番最初に届いたファンレターだったんですよ。編集部さんからスキャンして送られてきましたよ。」
とにっこりその漫画家さんに言われ驚きと妙な感慨を覚えたことがあります。
(本人の励みに!と担当編集さんがすぐに手紙をスキャンして送ったとのことでした。)
大体は編集部に到着した時点で一度中身が読まれてチェックされるようですが、そこから先に繋がることも少なくないようです。
好きを「好き!」だと声に出すこととその先を想像する。
私はずっと作品でも人でも
「自分は見てるだけで充分だし、自分みたいな片隅のファンなんていなくても変わらない。」
「手紙なんて出したところで読んで貰えるか定かじゃないし、自己満足だよね。」
とずっと思っていたのですが、
実際は意外にそうでもないと言うこと。そして、自分の好きな想いを声に出して伝える努力をすることで、その好きな作品や俳優さん、作り手さんの次が繋がる可能性があると言うことが最近ようやく解ってきました。
今は先に続いて欲しいもの、そして好きな俳優さんや作家さんには積極的にアンケートやファンレターを書く様にしています。
どんなに好きでも、続かなければ意味が無い。
好きな気持ちは思っているだけでは伝わらない。
冒頭の知り合いの様な応援の仕方は私には恐らく出来ないのだと思いますが、自分は自分なりに、自分の好きなものが沢山の人に知って貰えて、それが先に進める様な応援の仕方が出来たら。
その為に作ってる本人にも、作られていることを知らない誰かにも片隅からほんの少しだけ自分の「好き」と言う気持ちが伝えられれば…ちょっと幸せかも…と思って、今日も私はツイッターで好きなものの話をしたり、ファンレターを書いたりするのです。