大腸内視鏡検査をしてきた話
人生初大腸カメラ……!
結果としては何事もなかったので良かったので備忘録としてつらつら書き連ねようと思います。
初人間ドック便潜血で引っかかる
30半ば結婚したばかりで先々のことを考えると特に異常が無くても何があるか分からない……と考え人間ドックを受けたのがきっかけでした。人間ドックに関しては会社が補助してくれるところも多々あるようですが、弊社はもう少し歳いかないと補助が出ないので自腹。
何があるかは分からないけど多分何も無いだろうとたかを括っていたら、まさかの便潜血陽性。
「会社の検査でも引っかかったことないのに!!!」
元々痔があるので、痔だろうとも思いつつ、色々ネットを漁ると
『痔だと思ったら大腸がんだった』
『人間は正常性バイアスがかかるので検査の結果が悪くてもその結果を過小評価する』
などなどの文言ばかりが並び益々悶々!
とりあえず悩んでも仕方ないので再検査の紙を片手に病院へ行くことへしました。
事前問診
行った先は当然人間ドックを受けた病院。ただ、ネットで検索して申し込んだので病院としてかかるのは初めて。
そこそこ大きめの病院で受付に行ったら内科の先生の希望を聞かれました。当然知らないので、
「希望無いです」
と伝えると受付の方が気を利かせてくれて消化器系の内科の先生に受付してくれました。
その後問診。
先生:「便潜血陽性ですか。便秘気味ですが?」
私:「はい。痔もあります」
先生:「痔かもしれないし、そうじゃ無いかもしれないですからね。痔だと思ってたら大きな癌があった方もいますし。とりあえず大腸内視鏡やりましょう」
内心『デスヨネ〜』って気持ちでその時はいっぱい。そして、それで問診は終わりあれよあれよと大腸内視鏡検査の予約へ。
もっと先まで待つのかと思いきや翌週には検査出来るとの事で、生殺しも嫌なので最短で予約。
しかしそうなると会社を休まなければならない。翌日上司へ報告。
私:「人間ドック受けてきたら便潜血で引っかかりまして」
上司:「お前。それはヤバいぞ」
もう少し軽いタッチで返されるかと思ったら、めちゃくちゃ真顔で返されて申し訳無さと不安がめちゃくちゃ掻き立てられました。その時の上司の真顔は忘れない。まあ、理解があって良かったのですが……理解あるまま休みを申請。
しかし、検査まで気が気ではなく、余り良く無いと分かっていてもネットの情報を漁る日々。大体同じことしか書いてないのですけどね。
ちなみに余談ですが、色々読んだ中最終的に読んで落ち着いたのは外科医けいゆう先生のサイトでした。
けいゆう先生自身が消化器内科らしく、大腸の病気や検査のことについて分かりやすく理路整然と纏まっていたので大分このサイトを読んで冷静になることが出来ました。
その他の病気に関しても分かりやすく書いてあるのでおすすめです。
検査前日
事前問診の際、大腸検査食セットと言うものを事前に購入を命じられ前日は3食これ。
不味くは無いけど、ひたすら消化に特化している上、量も少なめなのでめちゃくちゃお腹が減ります。
でも、それ以外水かお茶しか飲めない。空腹をひたすらお茶で誤魔化し続ける1日。
夕飯後に事前に下剤を飲むのですが、個人的にはこれが一番キツかった……!
効いてくるのに時間がかかり、就寝して良い具合に寝ていたところに真夜中便意をもよおしてトイレに駆け込むのがとりあえず眠いお腹痛いでひたすらにキツかったです。
検査当日
噂に聞いていた2Lの下剤。味はスポーツドリンクをめちゃくちゃ不味くした感じ。旨くはないけど飲めなくはない。後割と飲むとすぐにトイレに行きたくなるので正直前日夜の下剤より楽でした。(個人差はあります)
「便がこの色になるまで下剤を飲み続けましょう」
と言うスケールを事前に渡されるのですが、一目瞭然と言うか。腸内洗浄されると水分がそのまま出てくる感じです。おしっこがそのまま肛門から出てくる感じと言えばわかりやすいでしょうか。(汚い話ですいません)
とりあえず午前中一杯で処置は済んだのでいざ病院へ。
(ちなみに、これまた余談ですが、私前日の寝不足で昼寝をしたら検査に遅刻しかけました……およよ。しかも焦って行ったので体温と血圧が上がり危うく別の意味でひっかかりそうに。およよよー!)
売店で不織布でお尻に穴が空いている検査用パンツを購入して検査室へ。
大腸内視鏡検査
検査室に通されて、腸の動きを緩やかにする筋肉注射を撃たれました。多分人によってはこの時鎮痛剤とか打たれるんでしょうけど、私は特に無かったです。
"鎮痛剤を打つかもしれないから車では来ないでください"
とあったので徒歩で行ったのですが、これなら車で行きたかったなあと思ったのはここだけの話。
そのまま検査室に通されて内視鏡を入れられます。入れるのはそんなに大変じゃないけど空気をひたすらに入れられるのでそっちでお腹が苦しい。もう、何も出ないはずなのに何か出そう。ちなみに腸内カメラの画像は寝っ転がりながら普通に見られます。素人目にも何もなさげだけど……と思っていたらおしまい。大体20分くらいです。その後先生に
「特に何も無いですね!なら何で検査で陽性が出たのかと考えなくても大丈夫です。引っかかっても40%は何も無いので」
と言われました。ただ、40過ぎたら年1〜2年に1回は受けた方が良いとはこと。
その後はお腹の張りが収まってきたら帰宅できました。飲食もすぐ出来るとのことでそのままご飯。
ふわあああ。制限なくご飯最高かよ〜〜
今回は問題無かったとのことですが、やはり何かあると困るので年1での人間ドックは必須だなと。正直会社の健康診断は検査項目が少な過ぎてアテにならない……。何もなければそれまでだし、何かあっても対応が早ければその分メリットが大きい訳で。
私事なのですが、最近ほぼ歳が変わらない知り合いが亡くなったりしたので、自分もいつ病にかかったり死んだりしてもおかしく無い歳頃で、本当にいつどうなるか分からないなと。とりあえずまだ死にたくないのでその為に出来るだけ病気のリスクを減らす。その為には健康診断や人間ドックは受けた方が良いなと改めて思いました。
皆さん健康診断と体のメンテナンスをしっかりして長生きしてください。
『星空鉄道とシロの旅』をプレイした話
しらたまさんというイラストレーターの方(一部界隈では割と有名な方だと思います)がサークル主をされている「しらたまこ」と言うサークルで制作された同人ゲームなのですが、これがもう新年早々にプレイしてめちゃくちゃ泣いたんですよ。そして再プレイを最近してまた泣いたと言う。
公式サイトがこちら↓
あらすじのトピックスと猫耳の女の子絵を見て
「どうせ男性向けの萌えゲーなんでしょ」
とか思う方もいると思いますが、声を大にして言いたい。そんなことはない。(確かに女の子は皆可愛いけど)良い意味でそのイメージは全て覆されると思います。特にキャラクターメイキングと脚本の上手さたるや……!!! ハーフプライスのゲームなので、プレイ時間8時間前後で終わるライトなボリュームでありながら、最後に感情としての感動と、全てのパズルのピースがかっちりとハマる脚本の秀逸さの感動をダブルで感じられること請け合いです。
以下盛大にネタバレを含むのでネタバレを気にしない方だけどうぞ。
主人公の鐘城さんことシロさんがノワールと呼ばれる猫耳の女の子を始めとして、元気な車掌カルハ、そして気が良いけれど不思議な乗客たちとそれ以上に不思議な夜行列車の旅に出かけるファンタジーハートフルノベルゲーム
……と思いきや全然違った
割と終盤の展開に頭を抱えてしまった1人です。
要所要所でノワールがこの不思議な旅の根幹に大きく関係していることはわかっていたのですが、小出し小出しの設定で「展開が見え見えだぜ!!!」と読み進めている我々は思い込みでミスリードされるのです。でもよく考えるとそのヒントはその見え見え展開の裏にちゃんと隠されている訳で……
特に本作が宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』のオマージュであり、ヒロイン・ノワールの本名が "夜羽真白" と言う時点で気づくべきだったなと。
シロさんの本名"鐘城"の鐘はイタリア語でカンパネルラ。
すなわち『銀河鉄道の夜』のメインの登場人物2人の設定を踏襲していると言うことを。ここまで読めば察しの良い方は分かりそうですが、書くのは無粋なので是非プレイしてお確かめいただきたいところ。
最終的な登場人物全員の真の目的と、何故カルハが車掌だったかと言う話。そしてエンディング後のとある登場人物同士の邂逅。全て至るまで無駄な文章や展開が無く、最後までパズルのピースがカチリカチリとハマって行くような脚本の秀逸さはこの脚本を手がけたさかき傘さんの手腕によるものだと思います。
私が初めてさかき傘さんのゲームは『金色ラブリッチェ』と言うゲームです。
PS4/PS Vita/Switch『金色ラブリッチェ』オフィシャルサイト | ENTERGRAM
いわゆる美少女ゲームですが、これは完全に萌えゲーの皮を被ったノベルゲーです。
(いや、これもヒロインが皆可愛いしキャラクターメイキングもデザインも可愛いのですけど!)
『星空鉄道とシロの旅』と同じことを言うのですが何が凄いってメインヒロイン全員攻略してグランドルートへ行かないと話の全容が明らかにならないんですよ。それぞれのヒロインで分かることがそのルートの中では完結しつつも全体としては断片的で、最後までやってパズルのピースが全てハマらないと絵が見えない。
あとさかきさんのもう一つ秀逸だなと思うのが、第三者の我々プレイヤーからすると多分ラストは見ることを望んでいたエンディングでは決して無いんです。どちらかと言うとバッドエンドかもしれない。でも読後感が凄い前向きで後味が良いんです。その辛さも含めてこの物語の着地点はここが最良だったと思わせてくれます。
作品紹介ではなく最終的にさかき傘さんの脚本賞賛ブログになってますね。
まだプレイしていないのですが、リメイク版のEVEの脚本もさかきさんが手がけており大分こちらも評判が良いみたいです。
『星空鉄道とシロの旅』も『金色ラブリッチェ』も先入観で食わず嫌いせず興味がある方は是非プレイしていただきたい作品です。『星空鉄道とシロの旅』はパッケージ版は売り切れてる所が多いようですが、DL版も販売しているようなので是非。
お久しぶりです!な雑記。
一つ前のブログが一昨年の年末であったことに驚愕をしました。
なんてこった!!!
と言うことでご無沙汰しております。
お久しぶりです。
どうしても私は人から見られることを意識して文章を書いてしまいがちなので
(これは文章に限らずなのですが)もう少し気楽に自分の為にブログを書いても良いのかなと最近思っています。
と言うことでまたいつ冬眠に入るかわかりませんが、ゆるゆると好きなことについて書いていきたいですね。
さて2020年がまるまる飛んでいるブログですが、コロナコロナの中合間を見て観劇したりとかしてました。漫画も色々読んでます。
観劇の本数は昨年に比べて1/3くらいに減りましたが。これは情勢のせいですね。観劇1公演最後まで走り切るのが前以上にリスキーな時代になりましたね。
今年はどうなることやら。
そして昨年1番の変化は
結婚しました。
人から何かと、とやかく言われるのが嫌でオンオフ、公私問わずあまりおおっぴらにはしていませんが、昨年最大の変化ですね。
何が嫌って結婚と聞くとやたら経緯にロマンスを求めて話を根掘り葉掘り聞きたがる人と
『結婚したら大変よ』
『主婦大変でしょ』
とマウントを取ってくる人とがやたら多いからです。
経緯は話しても良いけどそこに貴方の求める少女マンガ的ロマンスは無い!
貴方は大変だったかもしれないが、私は特に今のところ結婚生活大変では無い!
と言いたい。
至って普通です。マジ普通。暮らす人と場所が変わっただけです。
普通に聞かれるのは全然平気です。良い意味でも悪い意味でも過剰に期待されるのが嫌なのです。
「私も幸せだからやっぱり結婚って幸せよね! 良かったよね!」も
「私も大変だったから結婚ってやっぱり大変よね! 負けずに苦労してね!」も
聞く人の価値観と感情の押し付けなので。
ただ、個人的には結婚してもとにかく楽させて貰ってます。ここは申し訳ない。
旦那氏は一人暮らし生活が長かったので、私より家事が上手く、家事はほぼ折半。(寧ろ旦那さんの方が色々してくれるかも)特に決め事もなく、気づいた方が早いもの勝ちでやる感じ。疲れてできなくてもそれは別に怒られないし怒らない。
お互いヲタなので好きなことを好きなようにやって、好きなもののことを好きに喋っている。
(休みの日とかお互い別々の部屋で別々のゲームを一日してたりします)
私は運が良かっだと言われればそれまでですが、極論私はたまたま付き合っていた相手と一緒に住むのが楽だから結婚というシステムを取っただけで、同性でも異性でも1人でも好きな人と好きなように暮らせば良いじゃない!!! と思うわけです。まだまだその辺の世間の目やら結婚以外の人と暮らすシステムがイマイチ構築されて無いのが難点ですが。
今後は山あり谷ありあったりするのだとは思いますが今のところのんびり楽しくやってます。
と言うことで報告も終わったところで、今後はまた好きな話を好きなように出来れば良いと思っています。
何度も言いますがまた冬眠につくかもしれませぬが、ゆるり継続してやっていけたら良いと思いますので宜しくお願いします。
メサイア〜黎明乃刻〜の話
今更になってしまいましたが『メサイア~黎明乃刻~』の感想を。
”刻シリーズ最終章”と銘打ってありましたが、毎回人間関係が自作に跨ぐような伏線の貼り方をするのに今回はそれが無かったこと、最後の過去の卒業生たちの映像、そしてこの作品の根幹であった「ワールドリフォーミング」という概念の撤廃。
これらが劇場で突き付けられた時
「嗚呼。シリーズの集大成だ。本当にここで幕を下ろすのだな」
と私は客席で思いました。
しかし、集大成に相応しい素晴らしい作品でした。大きな感謝を胸に感想をつらつらと書き連ねていこうと思います。
雛森と園と小暮
今回のメインの3人。この3人の関係は、冒頭で
「……メサイア……か……」
と雛森が園の銃を取り出し思いを馳せていたものが、舞台最後同じ銃を雛森が同じように取り出した時に、全てを察して、受け止めて小暮がその銃を握る。
この行動に集約されていると思います。
きっとそこまで、雛森と園も雛森と小暮もある種メサイアであり、同時に本当の意味ではメサイアでは無かったのかもしれません。彼らの”メサイア”としての真の夜明け。タイトルの通り"黎明乃刻"だったのだと思います。
今回一番私が感情移入したのは小暮でした。小暮の出自は確かに特殊です。一嶋のクローンであり「親もいなければ、帰る場所もない」かもしれない。しかし、そう言ったことに関係なく「誰かの何者かになりたい」「自分の存在を認めて欲しい」という感情は誰しも抱いているものだと思います。雛森にぶつけ続ける小暮。雛森に認めて欲しかった。雛森にとっての何者かでありたかった。決して雛森がその感情に対してフィードバックが無かったわけではない。けれども、もしかしたら小暮に対する感情の向こうに薄々園の存在を感じていたのかもしれない。しかし、"何も無い"小暮が気付き(静寂の中の自分の心を吐露する独白シーンは本当に素晴らしかったですね)求める側から与える側になった時。雛森の過去も園の存在も全て認められる強さを持った雛森のメサイアとしての黎明を迎えたのだと思うのです。
園の考えは月詠の頃から一貫していて
「強き者は弱き者の上に立ち正しい道へと導かねばならない」
と言うもの、月詠乃刻で照る日の杜に北方連合として関与していた時も、チャーチに戻りヒガンバナと真木光を葬った時も一貫して変わっていません。
メサイアは決して勧善懲悪の物語ではありません。それぞれの立場と考えがある。しかし、倒れるのはその時代、そしてその先の時代に必要とされなかった。園は敵でありながらも、不思議とヒーローのような空気感も醸し出しています。彼は彼なりに真の世界の平和と統一を目指し一貫した意図を持ってシリーズ通して存在したからなのでしょう。
月詠は当時出演予定だった、青木さんに演じて欲しい園を作っていたのだと思いますが、黄昏と黎明は村上さんに演じて欲しい園の形だったのだと思いますし、正直あの雛森を愛し、雛森に愛され、最後まで真の通った愛情深く強き園像は村上さんでなければ作り上げることが出来なかったと思います。
同時に青木さんが園を演じていたらどうなっていたかな……とは思います。多分黎明が始まる前に大多数が予想していたと思われる定石通り雛森が小暮を奪還するような構図になったのではないかな……
そんな2人の間で揺れ続ける雛森も一慶くんの演技がめちゃくちゃ素晴らしかったと思います。園も小暮も雛森に取ってはどちらも大切な人間。正直雛森は人間関係の距離感の取り方がとても極端だと思うのです。興味が無い相手には容赦無いし、生きようと死のうと関係ない。しかし、自分の懐に入った人間に対しては驚くほどの甘さと脆弱さを見せる。でもそれが、雛森の最大の弱さであり最大の人間らしさだと思うのです。月詠の頃黒子が雛森に言った通り結果として雛森が小暮を救うのではなく小暮が雛森を救う存在になりました。雛森の全てを受け入れた小暮と歩む未来を正直もっと見てみたかった気がします。
万夜とレネと小太郎
鋼以降メサイアの関係が強固な2人の関係から、事情があって3人の関係になるパターンが増えてきました。それぞれ形は違えど強固か関係があり、特にメサイアが散ると言う話になると強固な絆が根本から覆されるので、恐らくこれは多分演じる方も見る方もなかなかストレスなのだと思います。正直万夜にとってのレネも明らかにそういった存在でした。でも、他のメサイアが散ったサクラと決定的に違うのはレネは真正面から万夜にぶつかり、最終的に小太郎と自分では勝負にならないと負けを認めます。(勝ち負けではないのかもしれませんが)
万夜の御神体としての霊的能力。ご都合主義だとか言う人がいるかもしれないですが、あの能力はとても便利だし同時にとても色々な人を救ってきました。そして最後はその力が万夜自身を救ったのです。
だってほら!
小太郎が良いって言うんじゃ! レネがメサイアで良いよね!!
としか言わざるを得ないじゃないですか(笑)
ちなみにレネという言葉には
「生まれ変わり・再生」
という意味があるそうなんで、当初出演が発表された時は小太郎の生まれ変わりかな? などと思っていましたが、レネの場合は万夜をある種再生させたのかなと思います。
ある意味万夜とレネと小太郎の関係は3人メサイアの関係になった中では最も幸せかもしれないですね。
ちなみに余談ですが、大千秋楽の日に小太郎を演じていた山沖さんが劇場に来ていたため、レネが最後に「お前らのこと守ってやるよ」と言い、それを受けて万夜が「……だってさ!」と自分の中の小太郎に語りかけるシーンが2人とも山沖さんの方を向かって台詞言いながら指差してたのがたまらなかったですね。本当に3人でメサイアでしたよ。フォーエバー。
ラスールと要
実は大楽で一番胸に来たのがラスールだったのです。東京・大阪と凱旋ではかなりラスール演技を変えてきていて、その中でも真生光を撃つ時に声を詰まらせるラスールの向こうに彼の様々な想いを見た気がして涙が出てきました。きっとラスールは沢山のことを真生光に教わったのだろう。彼にとっては真生光はかけがえの無い大事な存在だったのだろう。それ故に壊れて行く真生光が……耐えられなかったのだろう……本当は手にかけたくない。真生光を撃つ瞬間に顔を背けるラスール。大切な人を手にかける人苦しみと消えない業。その全てをあの短い時間の中で全て見せてくれた気がします。
対する要は淡々としていて、どちらかと言うと戦闘狂に近い透けて見える狂気が素晴らしかったです。
メサイアではないけれど狛犬の様な立ち位置で常に対象的に配置されていたのも印象的でした。(OPのラスールは公演進むとそれを意識してか銃を持つ手が最初と反対になってましたね)
正直要とラスールの話はもっと見てみたかった気がします。
最後を彩るのが刻シリーズの卒業生と言うのも最早涙しかありませんでした。存在する護・有賀・いつきの3人は勿論、淮斗に呼びかけるシーンがあったり、間宮を屠ったリベレーターを出すシーンがあったり、途中退場した卒業生もしっかり魅せる製作陣に本当に下を巻きました。
(ワールドリフォーミングは撤廃される為に結ばれた偽りの条約と聞いたら間宮は悲しむのかな……などと思っていたのですが、このEDを見て払拭されたのは私の個人的余談です)
正直今回の幕引きは制作陣としても不本意なものだったのだろうな……と大千秋楽の演出の西森さん、脚本の毛利さんの話を伺っていて思いました。恐らくのっぴきならない何かしらの事情があったのだろうと言う憶測は真実は分からないにしても様々な要素から予想はつきます。恐らく追加で出た凱旋公演等も割とギリギリのスケジュールで決まったのだろうと推測してしまいます。
それでも、最後まで素晴らしい作品を作って作品を愛し続けてくれた関係スタッフの方々には感謝しかありません。
メサイアと言うメディアミックスシリーズに出会って約4年半本当に楽しかったし、本当に幸せでした。これから先も自分にとってはかけがえの無い作品として君臨していくのだと思います。
いつか闇に沈む彼らに見えるその日まで一嶋係長が最後に言った
「生きてください」
の言葉を胸に刻み進もうと思います。
Netflixアニメ『Levius』を見た話
Netflix配信のアニメ『Levius』を見ました。何を隠そう原作漫画の大ファンで、何かしらの形で映像化してくれないかな……とずっと願っていたので、まさしく文字通り私に取っては念願のアニメ化!
しかし、オールポリゴンの3Dアニメというのは私の中で馴染みが薄く、どう言ったものになるのか期待半分不安半分と言ったところだったのも事実。
しかし実際見てみると
こ、これはすごい!!!
そんな不安を抱いていた自分が
「なんて愚かな考えであったんだ!!」
と思えてしまうほどの渾身の出来でありました。特に序盤2話程のプロローグ的な話から進み本格的な試合の話になってからの話の内容の加速と熱量が半端ない!!!
『Levius』は人体と機械を融合させて戦う"機関拳闘"と言う格闘技が存在する世界。その機関拳闘を通じてそれぞれ成長をしていく登場人物達の物語。スチームパンクの世界観と原作者の中田先生の圧倒的画力に目を引かれますが、内容は拳と拳で語り合う戦士達の血湧き肉躍る熱い物語です。
アニメは原作準拠ではなく、中田先生の意向により
「面白くなるのであれば原作と設定やストーリーを変えて良い」
との意向の元作られているので原作とちょこちょこキャラクター設定やストーリーの細かい流れが変更されています。しかし、それが非常に良い巻き取り方をしていて、変更したことにより原作漫画とは違うドラマチックさを出していると思うのです。
まずは、原作では追っかけ女房的なポジションであるナタリア。しかし、アニメではレビウスをライバル視してザックジムまで彼を追いかけ無理矢理ナタリア自身も所属する言う存在に。追っかけ女房といえば追っかけ女房的なのですが、最初にレビウスやザックに対する親密度や好意が無い分、その後レビウスやザックが暮らす家に居候をし、彼らと生活もトレーニングも共にするようになってから徐々に心理的な距離感が近づきナタリアもレビウス達も互いを互いに"家族"として受け入れいく過程の描き方が非常に丁寧に描かれているのです。ナタリアは序盤から話に登場しているので、話を通しての心情の変化や成長の描写も同様の印象を受けました。特に終盤近くにレビウスの祖母が闘技場へ向かう途中にナタリアと鉢合わせするエピソードが私は堪らなく好きです。ナタリアがレビウス達の"家族"であると認識して前を向く名シーンだと思うのです。
マルコムの話ととても素晴らしいと思うのです。何故戦うのか? 何を抱えているのか? と彼のバックボーンを掘り下げることでキャラクターがより明確に鮮やかに見えてきてドラマチックな展開になっています。娘の回想を本編で挿入しつつ、最後に現在の娘が出てくるシーンも涙無しには見られません。
想いを抱え、レビウスが想いを背負うと言う点ではヒューゴも同様です。ビッグマウスで不遜で不敵なヒューゴ。しかしその実強いだけではなく魅せる格闘を弁えており、漢気あふれる選手。A.J.に倒されてしまい、まだリング上での闘いは叶っていません。しかし、文字通り『完膚なきまでやられた』原作とは違い、その先の希望を確実に感じさせる描写で胸に熱いものが込み上げてきます。
個人的にはこのヒューゴの声優に小野大輔さんが起用されていて、粗暴だが漢気溢れる演技が聞けるのもポイントが高いところです。
そして、やはり最も特筆すべきはA.J.とクラウンであると思うのです。クラウンはA.J.を養父として育てており同時に自らの美意識や欲望の為にA.J.を利用しており、A.J.は意識操作をされてクラウンに従っている。
……実際に言葉にしてしまえばその通りなのですが、果たしてこの2人の間は本当にそう言ったビジネスライクな偽物の親子関係であったのだろうか? と思ってしまいます。
原作と1番異なる印象を受けたのがこの2人でした。原作のクラウンはもっとクレイジーな印象ですし、完全にA.J.は弱みを握られ自分の意思の下故意に利用される道を選んでいます。2人の間には利用する者・される者以外の関係は何もありません。
しかし、アニメのクラウンとA.J.は少し違う印象を受けたのです。正直関係性としては原作より歪だと感じてしまいます。しかし、歪んだ形だっだとは言え、深層心理下では逃れたいとA.J.が願っていたとは言え、その中でもお互いが"家族"として心通う瞬間があったのではないか? とそう思わせてしまうのです。とても不思議な関係。一筋縄では行かないとも。しかし、この2人の歪で不可思議な関係がアニメの『Levius』にグラデーションを与えていると感じたのも事実です。
レビウスが機関拳闘で闘えば闘う程、己の想いだけでなく周囲の想いや敗者の想いがレビウスの肩にかかってきます。故に彼は闘い続けるのです。それは原作の漫画でもアニメでも一貫して描かれていることだと思います。
しかし、同時にアニメではそれだけでなくそれぞれの登場人物の"家族"の形、想い、絆を描いているように感じました。リングに上がっていても、上がっていなくとも誰もが誰かを想い、その想いや己の想いを背負い、何かと闘っている。
原作とアニメの受けた印象の差異についての感想のようになってしまいましたが、とにかくよく出来ている面白いアニメです。見た時に「おっ!?」と耳を引くほど音楽も抜群に良いし、アクションシーンは手に汗握ります。個人的にはA.J.の招待がわからない時に、顔は見えないけれど、ラインや動きがとても女性的な滑らかさや繊細さでありながら、人外の如く動くアクションがめちゃくちゃ好きです。
(原作だと顔が見えるまで性別がわからない感じもとても好きなのですが)
そして、EDの中田先生の描き下ろしのイラストの数々が華を添えていてまた素晴らしいのです。
いちファンの戯言だと思わず興味があれば『Levius』のアニメを是非見て欲しいです。アニメだけ観るも良し。アニメから漫画を読んで違いを味わうも良し。きっと観た後に胸に灯るものがあると思います。
メサイア〜黎明乃刻〜を観てきたよな話
とりあえず、大千秋楽が終わってから細かい長々とした感想は書こうと思いますが。とりあえず一言。
気になっていると言うならば、シリーズ区切りとかそういうことで足踏みをせずに観に行って欲しい! 頼む!
です。
どこまで話をして良いものかわかりませんが……恐らくこれで本当にシリーズ区切りを付けるつもりなんだな。と言うことがひしひしと伝わってきました。ただ、本当に同シリーズ他の作品にあるような引きがなく、綺麗に全ての関係が描ききられているので、逆に初めての人はわかりやすいのではなかろうか? と言う印象を受けました。
(他の作品はいくつか跨がないと人間関係も跨いでいるので、わかりにくい)
二時間半程のやや長めの舞台ですが、話のテンポ感も良く中弛みせずに見られます。
山本一慶さんと橋本真一さんは本当素晴らしい俳優さんですし、他の方々もたまらん素晴らしいです。今回は重鎮の方々も沢山いてそれがまた素晴らしい。
東京公演が終わったばかりですが、大阪・凱旋と演技やアクションがブラッシュアップされてより見応えを増すのだろうなあと思うと楽しみでもあり、同時に終わりに向かうのが寂しくもあり。
CLIE時代の翡翠ノ章に魅せられて足掛け4年半くらい追いかけてきたこのシリーズ。新作公演が始まると半ば私の生活の中心になっていたこのシリーズ。
劇場で購入したサントラを聴くと各シリーズ印象的なシーンが走馬灯の様に駆け巡り、歴代のサクラ候補生たちが生き抜いた姿がありありと脳裏に蘇ります。
大千秋楽多分私めちゃくちゃカテコで泣くんだろうな。何故私は大千秋楽の次の日会社に行かねばならぬのだ。
そんな与太話は置いておいて。
東京凱旋は後から決まったのと、ホールのキャパシティが大きいのとてまだチケットが余っている様です。
恐らくしばらくは見られないであろう魂と身体を削る人間ドラマとアクションを初めての方にもそうでない方にも堪能してほしいものです。
メサイア入門2 〜刻シリーズを見てみよう〜
皆様ご無沙汰しております。長々と休眠状態にあったこちらのブログですが、今回は黎明乃刻でのメサイアの刻シリーズ完結に合わせて、そちらを是非紹介させてください!
そもそも"メサイア刻シリーズ"とはなんぞや?
メサイアのシリーズは一度旧作『深紅ノ章』にてシリーズの区切りを迎えます。
(関係スタッフの方々が述べていますが、ここで半ばシリーズとしては休眠状態だったそうです)
製作会社としてCLIEさんが抜けた後に、
「メサイアプロジェクト」として
原作・原案 高殿円先生
脚本 毛利亘宏さん
演出 西森英行さん
の3人を舞台のメインスタッフと置いて制作されたのものです。
サブタイトルがCLIEさんが関係していた頃の『〜ノ章』ではなく『〜乃刻』となった為に区別して"刻シリーズ"と呼ばれます。
刻シリーズは
暁乃刻
極夜 〜Polar night〜 (映画)
悠久乃刻
月詠乃刻
幻夜乃刻(映画)
トワイライト 〜黄昏の荒野〜
黎明乃刻
の全7作で構成されます。
ちなみにこの『黎明乃刻』で脚本の毛利さんと演出の西森さんの卒業も発表され、本当にシリーズとして一旦一区切りとなりました。
ちなみにその手前の章シリーズに関してはこちらのリンクを何卒ご参照ください
メサイア入門 〜観てみようメサイア〜 - 世界の中心で好きを好きだと叫びたい
刻シリーズはどれだけあるの?
それではここから刻シリーズ各作品をキャッチコピーと共に紹介していきます。
暁乃刻
『昨日が死に、今日が生まれる それが黎明 暁の刻ーー』
メサイアシリーズ復帰第1作。第2世代を牽引してきた白崎護の極限の中でのたった1人の卒業ミッションが描かれる。
次世代のサクラ候補生や、章シリーズから引き続いての有賀(己のメサイアを一度殺めている)と加々美のメサイアの関係の成長、チャーチへ来た加々見の理由などが明らかになる。
極夜〜Polar night〜
『明けない夜にも、お前がいたーー』
映画「メサイア外伝 -極夜Polar night- 」 [DVD]
- 出版社/メーカー: TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
- 発売日: 2017/10/25
- メディア: DVD
- この商品を含むブログを見る
暁乃刻の前日譚であり、章シリーズをサクラ候補生とは別の角度から牽引してきたキャラクターである三栖・周の"究極の平等"が行きついた一つの終わりと始まりの話。個人的にはシリーズの中でも比較衝撃度が高い作品。
悠久乃刻
『僕らは立ちすくむ悠久と終焉の白いはざまで』
第2世代最後のメサイアである有賀と加々美の卒業ミッションの話。有賀の故郷を舞台に有賀の過去や加々美の過去を明らかにしつつ彼らのメサイアとしての関係が掘り下げられていく。
ここで次世代のメサイアのメインキャラクターもほぼ全員出揃う作品。
月詠乃刻
『生きる 死ぬ たった一人の神になる』
卒業後のサクラとして活躍する加々美を主演として公演されたシリーズ初の試みの作品。
同時に第3世代に大きく関わる"照る日の杜" "大日本共新製薬"等のキーワードの全容や彼らの過去が徐々に描かれていく。
幻夜乃刻
『これが夢なら、醒めないで欲しいーー』
『月詠乃刻』と『トワイライト』を繋ぐ作品。加々美の関わっていたミッション。『月詠乃刻』から先の加々美の動向。『トワイライト』の布石としてのサリュートやボスホート関わる事象やキーワードが散りばめられている。
トワイライト〜黄昏の荒野〜
『そこがお前の生まれた荒野』
チャーチと敵対する組織として描かれる北方連合のスパイ養成機関ボスホートをメインに置いた作品。ボスホートに在籍するサリュート・スークの"ビーツの祝祭"と呼ばれる卒業ミッションを通して、ボスホートの内部、チャーチとボスホートに属するそれぞれの者たちの信念がバレエ音楽「ジゼル」を印象的に用いながら描かれる。
黎明乃刻
『おまえが、おれを人間にしたんだ』
壊滅状態に陥ったチャーチ。「生きてください」と言う一嶋の指示の下、散り散りになるサクラ候補生。そんな矢先敵の手に堕ちた小暮が雛森の前に対峙する。
小暮と雛森のメサイアを中心に"ワールドリフォーミング"の真の目的、それぞれの登場人物の過去、それらの決着と未来への一歩を描いたシリーズ集大成。
刻シリーズ登場人物はどんな人がいるの?
以下主な登場人物と俳優さんを紹介します。
前回のブログ同様()内は演じている読み方とスラッシュで俳優さん、
【】内は出演している作品を示しています。
前のブログと一部重複、加筆があることはご容赦ください。
○サクラ候補生
白崎 護(しらさき まもる/赤澤 燈)
【暁・極夜】
元公安四係(劇中の公になっている警察機構の中で最もエリート部署)の警察官。任務中に陥れられチャーチにやってきた。 真面目で優秀。正義感が強く他人想いで真っ直ぐ。幼馴染でありメサイアである悠里淮斗のことを何より大切に思っている。過去の出来事がきっかけで死に場所を求めている様なところがあったが、鋼の意思と悠里と共にチャーチを卒業していった。
有賀 涼(ありが りょう/井澤 勇貴)
【暁・極夜・悠久】
「第三の闇」と呼ばれる暗殺組織の当主の息子。(血の繋がりは無い)
暗殺者として各方面から絶大な信頼を得ていた暗殺のエキスパート。しかし、間宮(後のメサイア)のヴァイオリンに心を動かされ自らの手で「第三の闇」の当主を殺害し、組織を壊滅させた。無口・無表情で冷徹だったが、間宮を殺め、加々美と接するうちに人間らしくなり、良き先輩として面倒見の良さを発揮するようになる。
加々美 いつき(かがみ いつき/杉江 大志)
【暁・極夜・悠久・月詠・幻夜】
おじであるチェーカーに導かれる形でチャーチの門を叩く。
チャーチに送り込まれたのにはとある理由と彼自身にも秘密がある。その為、知らずにチェーカーにスパイとして生き抜くための基礎技能を叩き込まれていたらしく、総合能力が元々高い。
当初協調性が皆無に等しかったが、メサイアである有賀を始めチャーチの面々と関わるうちに身も心持ちも立派なサクラへと成長していく。
異常に鼻がきく。
御池 万夜(みいけ まよ/長江 崚行)
【暁・極夜・悠久・月詠・黄昏・黎明】
新興宗教団体『照る日の杜』の元御神体。子供を難病で喪った信者に滅多刺しにされた所をチャーチに蘇生される。御神体は伊達でなく実際に霊的能力がある。世間知らずで生意気、無邪気な残虐さを見せる時もあるが、 性根には孤独と寂しさを抱えている。照る日の杜の信者であった柚木に執着し、彼に殺されることを願っている。
柚木 小太郎(ゆぎ こたろう/山沖 勇輝)
【暁・極夜・悠久・月詠】
元柔道のオリンピック強化選手。家族で『照る日の杜』に入信しており、教団の広告塔として利用されていたが、外部と接触するようになり教団に不信感を抱き、教団を抜けようとしたところを家族に刺される。体育会系でまっすぐな性格。上下関係の感覚も体育会系故きっちりしている。御池に対しては余り良い感情を抱いていないが、照る日の杜の御神体には特別な感情を抱いている。しかし、御池が照る日の杜の御神体だったことは知らない。
小暮 洵(こぐれ じゅん/橋本 真一)
大日本共新製薬という中堅製薬会社の研究員。北方の出先機関として動いていた会社の内部からチャーチへ情報を提供していたが、それが明るみに出た為死を偽装してチャーチにやってきた……となっているがその裏に隠された理由があり、同時に自分の存在を追い求めている。
基本的に真面目で堅い性格。表情筋が死んでいるレベルで表情が全く表に出なかったが、その隠された理由が明らかになった時激しい怒りの感情と己の存在と命を軽んずる行為を見せるようにり、一嶋のことを強く憎むようになる。
雛森 千寿(ひなもり せんじゅ/山本 一慶)
過去のミッションで負傷をして5年間眠っていたが、目覚めた後サクラ候補生として復帰。黒子と同期の為、他のメンバーより先輩。普段は飄々としているが、肉弾戦、2丁拳銃を用いての遠距離戦、状況を見据え時として残酷な判断をくだせる冷徹さも持ち合わせており、スパイとしては非常に有能。興味の無い人間は冷酷に切り捨てられるが、懐に入った人間には甘さを見せる。同期である黒子には「無駄にイケメンクソ野郎」と称されている。過去に何やら一嶋そして園とはただならぬ関係と因縁がある様子。
杉浦 レネ(すぎうら れね/近藤 頌利)
【黄昏・黎明】
キューバ人と日本人のハーフ。元アメリカユニオンの工作員。キューバ育ちでハーフということもあり、国家を守るという事に対して思い入れが薄く、スパイ活動に対してビジネスライクな部分がある。(しかし、彼は彼なりに色々考えてはいる)大家族で育ったせいかフランクで明るい性格。
○チャーチ関係者
一嶋 晴海(いちじま はるうみ/内田 裕也)
【暁・極夜・悠久・月詠・幻夜・黎明】
公安五係長。
「スペシャル・ミンサー」の異名を持つ超凄腕のスパイ。
過去のミッションで足を悪くして一線を退いたが、それでも高い戦闘能力を持つ。現在諸般の事情により表舞台からは退いている。
黒子(くろこ/小谷 嘉一)
【暁・極夜・悠久・月詠・黄昏・黎明】
チャーチ全般のお世話係的なことをしているオネエ様。本名百瀬 多々良(ももせたたら)サクラとして過去に活動していたが、裏切っていた自分のメサイアに情報を流し最終的に己のメサイアを手にかけた過去がある。一線を退いているが、サクラと「人間シュレッダー」の異名を持つかなりの凄腕。現在は一嶋の代わりに係長代理を務めている。
○北方連合・ボスホート関係者
サリュート(さりゅーと/山田ジェームズ武)
【暁・極夜・悠久・幻夜・黄昏】
北方連合のスパイ養成機関"ボスホート"に身を置くスパイ候補生であり、ボスホート創設以来の秀才。常に冷静で、ある種の気高さも持ち合わせている。
元は北方連合の有力者を父に持つが、政治犯の嫌疑をかけられ閉鎖都市"オデッサ65"に家族共々身を落とした過去がある。2本の短刀や拳銃を操って戦う。
スーク(すーく/宮城 紘大)
【悠久・幻夜・黄昏】
サリュート同様ボスホートに身を置くスパイ。サリュートとペアで動くことが多い。現在の北方連合においてNo.3の立場にある有力者の息子。スパイ活動はゲーム感覚でやっている節も見受けられる。
父親の権威と育った家柄故、敷かれたレールの上を雁字搦めで歩まされることに息苦しさを感じており、自分に無いものを持っているサリュートに対し嫉妬とも羨望とも尊敬とも友情とも言えぬ複雑な感情を抱いている。
ガラ(がら/輝馬)
【黄昏・黎明】
サリュート、スークと同様にボスホートに所属するスパイの1人。スパイとしても戦闘能力や諜報能力共に非常に有能で優秀。組織への帰属意識も強い。何より祖国の繁栄共に祖国に身を捧げることを第一と考えており、その為なら他者を利用することを厭わない。
愛国心故やや純血志向な部分がある。
ユラン・園 之人(ゆらん・その ゆきひと/村上 幸平)
【月詠・黄昏】
元チャーチに身を置いていたサクラ候補生であり、現在は北方連合ボスホートにおいてユランと言うコードネームで教官としてサリュートやスークらの指導にあたっている。照る日の杜にも関与していた。
一嶋、黒子、雛森とは過去から面識があり、特に一嶋と雛森は深く彼の過去に関わっている。
チェーカー(ちぇーかー/荒木 健太朗)
【暁・悠久】
死んだと思われていた加々美のおじ。力を手に入れるために、加々美を始め様々なものを利用する。一嶋とも過去に面識がある。
○照る日の杜
穂波葉礼(ほなみはれい/石渡 真修)
【月詠・黄昏】
宗教団体"照る日の杜"における御池と並んでの2人だけ残った御神体候補。幼い頃から御池と共に組織で育ち、御池が離れた現在の照る日の杜の御神体。
基本的に御神体として世の平和を願う物静かで穏やかな性格であるが、御池とその周辺に対しては友情を超えて羨望と執着が入り混じった感情を見せる。
及川 昴流(おいかわ すばる/三原 大樹)
【月詠・黄昏】
宗教団体"照る日の杜"の信者の1人。御神体である穂波に対して盲目的な信仰と絶対的な忠誠を誓っていたが、照る日の杜の嘘と実態を知って絶望し、穂波を激しく憎むようになる。
○その他関係が深い人々
三栖 公俊(みす きみとし/中村 龍介)
【極夜】
最初はサクラと敵対する国内テロ組織”評議会”にいたが、現在は紆余曲折あって公安四係に所属している。
己の過去の生い立ちから人類の「究極の平等」を掲げて自らの強い意志の下革命を起こすべく動いている。
周 康哉(あまね やすちか/玉城 裕規)
【極夜】
三栖と同様元評議会のメンバー。学のあるお坊ちゃん。父親に復讐をする為に歩んできたが、自分の本当の生い立ちを知り目的が徐々に変わっていく。
最初は三栖のことを良く思っていなかったが、現在は絶大な信頼を寄せる良き相棒。極夜での出来事をきっかけに、自らの道と立場を見据えるようになる。
周グエン衝吾(あまねぐえんしょうご/伊藤孝太郎)
【暁・極夜・月詠】
志倉の創設した警察省警備育成班キンダーという機関に所属する、周の腹違いの弟。頭が切れるエリートであり、本人もそのことにプライドを持っている。意外に短気で、出会った周やサクラ候補生には横柄な態度を取って衝突することもある。
志倉 一仁(しくら かずひと/大澄賢也)
【暁・月詠】
元警察省警備局次長で、現在は国会議員。キンダーの創設者。
公安五係を相容れないとしながらも、一嶋やサクラ候補生達に定期的に力を貸す。
ネクロマンサー
【暁・悠久】
高度に発達し、最終的に自ら意思を持った人工知能。現在はとある事情により白崎と共にある。
終わりに
章シリーズよりも壮大に、そして様々な角度から切り込みを入れてきた刻シリーズ。刻シリーズから(所謂第3世代と呼ばれる登場人物)は高殿先生がキャラクタープロットを前面的に作っている為、より一層高殿先生の方向性の色濃い舞台や作品になっている印象です。
シリーズは一度幕を下ろしましたが、やはりシリーズこれだけ続いただけあり、製作陣や俳優さんの作り込み方、そしてなにより面白さは折り紙付きだと思っています。
気になる舞台や作品、登場人物からメサイアの世界に足を踏み入れてくれたとしたらいちファンとして幸いなことはありません。
皆でレッツメサイア !
2020.5.24 一部内容を変更・追記しました